情報提供:茨城県土木部河川課ダム砂防室
                                                                 記事作成:応用地質

都道府県名

茨城県

面積

6,096 km2

人口

297万人

地形

地形区分を,別図に示す。

茨城県は,関東構造盆地の北東部にあたり,東は太平洋(鹿島灘)に接する。

北部・北東部は阿武隈山地の南縁にあたり,標高600-700mの山体を残し,標高400m 程度の隆起準平原山地をなす多賀山地や,その西に棚倉構造線(破砕帯)の構造山地で急峻な地形をなす久慈山地が分布する。また、北西部には八溝山系が広がり,八溝山(標高 1,022m)を最高峰とする壮年期の八溝山塊から南に,久慈川,那珂川に分断される,鷲ノ子,鶏足山塊の老年期山地,さらに筑波山(塊)(標高877 m)へ山系が連続する。

-南西部には洪積台地が広がり,東から常陸台地に属する那珂,東茨城,鹿島(標高35-55m),行方(30-35m)、筑波・稲敷(20-35m)の各台地が,さらに西部には利根川に沿って猿島台地(15m程度)などの台地が,南西(内陸)へ台地面高度を下げながら分布する。

南部を中心に,利根川,鬼怒川,小貝川の流域に沖積低地が発達し,霞ヶ浦や北浦等の湖沼も形成されている。(出典:茨城県 地学のガイド;1977,コロナ社)

地質

地質図を,別図に示す。

北東部の多賀山地には,花崗岩の貫入岩体を中心に,主として北に古期変成岩類,南に古生層が分布し,東縁の北茨城から日立にかけての沿岸部には,挟炭層を挟在する古代三系が分布する。棚倉構造線(破砕帯)を挟んだ西側の久慈山地から八溝山塊周辺には,新第三系が分布する。

八溝山塊は,主として中・古生層で構成され,南の筑波山塊には,花崗岩貫入岩体,さらに南東側に筑波接触変成岩が分布する。

-南西部に広がる洪積台地は,半固結から未固結の礫・砂・シルト及び粘土の互層で構成され,表層は関東ロームが被覆し,台地は下末吉面に対比される。

沖積低地には,埋没谷があり,礫・砂・粘土・腐植土が堆積する。(出典:茨城県 地学のガイド;1977,コロナ社)

気象

茨城県の年間平均降水量は,昭和45年から平成12年の平均で,1,326mmであり,北部で多く1,400mm以上,中部から南東部で1,3001,400mm,南西部では1,300mm以下と少ない傾向にある。

冬の降水量は全体に少なく,春は北部と南東部で多い。夏は雷雨が発生する頻度が高い。月別降水量は,3月から10月には100mmを超え,9月には200mm程度と最も多くなる。(出典:水戸地方気象台HP

その他特徴

地すべり分布と特徴

地すべり防止区域を,別図に示す。

地すべり危険箇所は226箇所あり,そのほとんどは新第三系の発達する久慈山地から八溝山塊周辺部(常陸大宮市,常陸太田市)に分布が集中し,いわゆる第三紀層地すべりが主体をなしている。

その他,北東部多賀山地東縁の沿岸部,古代三系分布域(北茨城市)と,筑波山塊の花崗岩分布域にも一部分布が認められる。

地すべり防止区域は,昭和48年より現在までに,第三紀層地すべりが集中する久慈山地から八溝山塊周辺を主体に,28箇所を指定している。

平成19年度までに26箇所が概成している。

対策事業の実施状況

所管区分

地すべり危険箇所

地すべり防止区

既成箇所

国土交通省

105

22

20

林野庁

121

6

6

合  計

226

28

26

 ※平成206月現在の地すべり箇所数は上記表の通り。

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