国土交通省/農村振興局 所管     松之山地すべり 新潟県
                
                           
    
             






    位置図
        

松之山地区の地すべり分布図                
                         引用文献:湊元光春(1982):松之山,アーバンクボタNo.20潟Nボタ

地すべりの概要

1.地すべりの概要
 新潟県東頸城郡松之山町周辺は地すべりの多発地域で,大松山(736m)を中心として大小多数の地すべり地が放射線状に分布している。これらの一部は毎年,雨期や融雪期に緩慢な移動をしているが,松之山地すべりはこれらの小規模な地すべりが1つになり大規模な地すべりに発展したものである。19624月に地すべり発生の兆候が現れ,変動が活発化したのち,1964年 月頃停止した。地すべり変動地域は総延長3,600m,平均幅900mで,すべり面の深さは最大30m 程度であるが,顕著な変位を見せるところでは地表から3〜内外の深さとなっている。

2.地形・地質概要
 松之山町一帯の地域は標高700m内外の丘陵からなる山間地域である。地すべり頭部と末端の標高差は約433mであり,平均傾斜角は約7゜と緩やかな斜面となっている。
 地すべり地の基盤岩は松之山凝灰岩層と呼ばれる粗粒安山岩質凝灰岩,砂岩,泥岩,軽石質凝灰岩からなる。この松之山凝灰岩層はコアから上部層(粗粒安山岩質凝灰岩),中部層(砂岩,泥岩及び凝灰岩),下部層(軽石質凝灰岩)の3層に分けることができるが,すべり面は中部層以浅に位置する。

3.素因・誘因
(1)素因:広く分布する粘土化した凝灰岩,砂岩,泥岩
(2)誘因:降雨および融雪に伴う地下水位の上昇

4.対策工
杭工,集水井工

地すべりの特徴
地すべり地内の地質分布図
地すべり断面図