口絵写真および地すべり概要  岡山(おかやま)地すべり(林野庁所管)
口絵詳細
 
<地すべり概要>
○位置:岩手県一関市厳美(いちのせきし、げんび)町地内
○地質概要
 新第三紀中新世下嵐江(おろせ)層を基盤とし,これを覆って第四紀の栗駒山火山岩類が分布している。下嵐江層は,砂質凝灰岩層(火山礫凝灰岩層)と泥岩層,およびこれらの互層から構成されている。一方,栗駒山火山岩類は地すべり冠頭部の崖面および末端部の産女川(うぶすめがわ)右岸に広く分布しているが,全体に硬質の安山岩礫からなる礫混り粘土状として分布しているため,安山岩の溶岩か火山砕屑物であるかの見分けが難しい。
○地すべり概要
 北上川流域磐井川(いわいがわ)支流の産女川(うぶすめがわ)右岸に位置し,大きくはA〜Hの8つのブロックに区分される。このうち,現在事業を実施しているAブロックは斜面長約600m,幅約450mである。産女川流域は一関市に壊滅的な被害を与えたカスリーン台風(S22)及びアイオン台風(S23)による大土石流の発生源である。岡山地すべりおよびその周辺には地すべり地形が随所に認められることから,地すべりは古くから活動していたと考えられるが,地すべり亀裂が確認されたのは平成3年頃で,現在のAブロックを中心に多数の新鮮な滑落崖や亀裂が確認され,平成4年に地すべり防止区域に指定された。本格的な調査は平成8年度から開始されている。