都道府県名 |
広島県 |
面積 |
8,479km2 |
人口 |
288万人 |
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地 形 |
広島県はほぼ全域が、広義の中国山地に含まれる。県内の最高峰は1,346mの恐羅漢山で、中起伏で比較的標高の低い山地である。このように、広島県の地形的特色は、山地が低く、低地は狭長な谷底平野と小さい三角州に限られることである。山地は、中国脊梁山地、吉備高原、それに瀬戸内の陥没帯を占める瀬戸内島嶼部に大きく分けられ、脊梁山地では前輪廻侵食緩斜面をとどめ、吉備高原ではその発達が著しい。島嶼部では、これら山地の連続に当るところで急峻なところが多い。また、中国山地には網状に交差する断層に沿った急斜面や谷などが発達し、地形的特色の一つとなっている。 |
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地 質 |
固結堆積物では、古生代の地層は大きく三つの構造単位(北帯,中帯,南帯)に分けられ、北帯は帝釈台の石灰岩層とその周辺の砂岩、粘板岩、チャート層である。中帯は粘板岩のほか輝緑凝灰岩、輝緑岩を伴うもので、弱い変成作用を受けている。南帯は粘板岩を主とし、若干の砂岩、チャート、石灰岩を伴う。新生界は第三紀中新世の地層と鮮新世〜更新世礫層やそれ以降の諸層からなる。火山性岩石では、白亜紀火山岩類で吉舎火山岩類、高田流紋岩類、作木火山岩類の三つに大別できる。吉舎火山岩類は、安山岩質の岩石からなる。高田流紋岩類は、塊状の凝灰岩を主体とし、県下の白亜紀火山岩類の大半を占める。作木火山岩類は、吉舎安山岩類と類似しており、高田流紋岩類を不整合に覆う。新生代の火山岩類のうち、旧期玄武岩類は吉備高原地帯で、かんらん石玄武岩の鐘状火山として知られている。新規玄武岩類は、県北の断層崖以西の丘陵地に点在する。深成岩類では、変斑れい岩、変輝緑岩が中帯の古生層に伴って東西に点在し、かんらん岩、蛇紋岩は県下北東部に分布している。また、いわゆる広島花崗岩類は、県南部から西部一帯にかけて広域に分布する連続貫入岩体で、粗粒の黒雲母花崗岩である複合岩体である。 |
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気 象 |
気候は、夏冬の季節風の影響を受けにくく、梅雨・台風時期を除き一般に夏期の降水量、冬期の積雪量ともに少なく、晴天が多い。県全体としては温暖と言えるが、北部の中国山地に面した低温で降水量も比較的多く、冬期の積雪が多い山陰気候区と南部の瀬戸内海に面した温暖で降水量も少ない瀬戸内気候区が共存している。 (年平均気温・降水量分布図) |
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その他特徴 |
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地すべり分布と特徴 |
県下の地すべりは、比較的時代の古い堆積岩や火成岩の分布域で多く発生している。これらの岩石は、一般に堅硬なものが多く通常であれば地すべりの素因にはならないが、地質構造的に北東−南西、西北西−東南東方向の断層が顕著で、断層谷を発達させている。この断層が岩盤を脆弱化させ、あるいは断層に沿って岩脈が貫入したりしているため、断層谷の周辺の傾斜変換点近傍で、岩石が脆弱化している場合や地下水を集めやすいところで地すべりが発生している。また、数は少ないものの、第三紀層地すべりも県北東部を中心に中新世の備北層群分布地域で発生している。 (地すべり防止区域位置図) |
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対策事業の実施状況 |
所管区分 |
箇所数 |
区域面積(ha) |
平成11年3月現在の県の地すべり防止区域は左表の通りである。
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国土交通省 |
24 |
500 |
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農村振興局 |
17 |
825.4 |
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林 野 庁 |
4 |
51.6 |
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合 計 |
45 |
1377.0 |
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「斜面防災技術」掲載号 (紹介されている地すべり地) |
Vol.35,No.3 2009年,通巻105号:日南地区地すべり |
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