都道府県名 |
福岡県 |
面積 |
4,974km2 |
人口 |
505万人 |
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地形・地質 |
福岡県は玄界灘、響灘、周防灘、有明海によって三方を海に囲まれ、背振山地、英彦山山地、釈迦岳山地、筑肥山地などを境界として隣県と接する。また、これらの山地をぬって筑後川や遠賀川などの一級河川が流下して筑後平野、遠賀平野、筑豊盆地などの平地を形成する。 地質構造上の福岡県は、中央構造線の北側に位置し、西南日本内帯に属する。山地部の地質は、古生代の三郡変成岩類や呼野層群、中生代白亜紀の関門層群と花崗岩などの深成岩類、新生代古第三紀の挟炭層である堆積岩類、新生代新第三紀の火山岩類や凝灰岩などで構成される。これらの基盤岩類を覆って県内の平野部には新生代第四紀完新世の堆積層が分布している。 |
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気 象 |
福岡地区の年平均気温は16.7℃、年間平均降水量は1,694mmであり、概して温暖な地域である。福岡県は梅雨前線や台風の影響を受けやすい地域に位置しており、県境山地の山頂付近は、年間降水量が2,500mmに達する多雨地となっている。北部九州地方は、冬季には大陸からの季節風が吹きつけ、日本海型気候の特徴を見せる。周囲を山地に囲まれた内陸平野部は最高気温と最低気温の差が大きく、内陸型気候を示す。 |
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その他特徴 |
最近では梅雨末期から台風シーズンにかけて局地的な集中豪雨が頻発する傾向が現れており、平成11年6月と平成15年7月には県内各地で水害や土砂災害が相次いだ。平成29年7月の九州北部豪雨(梅雨前線の影響による集中豪雨)で朝倉市の山間部を中心に大きな土砂災害・流木災害が発生している。 また、平成17年3月20日にはマグニチュード7.0、震度6弱の福岡県西方沖地震が発生した。 |
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地すべり分布と 特 徴 |
福岡県内に存在する101箇所の地すべり防止区域について分布状況を見ると、県南部に全体の7割近くが集中しており、残りが北九州地区と遠賀地区、筑豊地区、三郡山地付近に散在している。 県南部は片岩を主体とする三郡変成岩類と安山岩、凝灰角礫岩からなる新第三紀火山岩類を基盤岩とする。風化によって脆弱化した片理面に沿って滑落したり、火山活動によって変質劣化した岩盤が不安定化したりして地すべりに至ったものが多い。北九州地区では、関門層群の凝灰岩や安山岩からなる山地斜面の風化層とその上に堆積する崩積土層の不安定化が見られる。遠賀、筑豊地区は砂岩、頁岩など古第三紀堆積層が、三郡山地周辺は三郡変成岩類の片岩が分布する地域である。 県西部と県中東部に広く分布する花崗岩類は、風化によりマサ化して軟質となるが、地すべりとしての災害よりも土石流や崩壊といった豪雨による短時間の災害が多くなっている。 |
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対策事業の 実施状況 |
福岡県内の地すべり防止区域の数は、101箇所であり、所管ごとの内訳は以下のとおりである(平成29年8月末現在)。
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「斜面防災技術」掲載号と紹介された地すべり |
・Vol.17,No.2(1990年,通巻第50号):(国土交通省所管)三池郡高田町原地区地すべり(口絵写真) ・Vol.19,No.1(1992年,通巻第55号):九州支部の現状と今後の展望(座談会) ・Vol.31,No.1(2004年,通巻第91号):鞍手郡宮田町(技術資料) ・Vol.32,No.1(2005年,通巻第94号):九州支部の活動状況と新時代の運営(座談会) ・Vol.42,No.2(2015年,通巻第124号):福岡県の斜面防災(報文):(国土交通省所管)十籠地すべり、柳原地すべり |