都道府県名

三重県

面積

5,776km2

人口

186万人

地形

三重県は、日本列島のほぼ中央、太平洋側に位置し、東西約80km、南北約170kmで南北に長い県土となっている。中央を流れる櫛田川に沿って日本で一番大きな断層の中央構造線によって、北側を内帯地域、南側を外帯地域に県土が分けられる。

 内帯地域は東に伊勢湾を望み、北西には養老、鈴鹿、笠置、布引等700800m級の山地、山脈が連なっている。

一方、外帯地域の東部はリアス式海岸の志摩半島から熊野灘に沿って南下、紀伊半島東部を形成し、西部には県内最高峰日出ヶ岳を中心に紀伊山地が形成されている。

地質

三重県の地質と地すべり分布」に三重県の地質をしめす。

県土を地質構造的にみれば、伊勢湾に面した地域は第四紀層で、洪積層や沖積層などの未固結地盤がある台地または低地を形成した伊勢平野がある。また、中央構造線より北(内帯)は領家帯であり、花崗岩、片麻岩からなる地層で構成されている。南(外帯)は大きく3つの地層に分かれており、北から順に、主に結晶片岩からなる三波川帯、主に粘板岩からなる秩父帯、さらに砂岩や泥岩からなる四万十帯がある。

 このように、県土は大きく分けて4つの地層帯を有する複雑な構造となっていることがいえる。

気象

年間降水量分布図」参照。

三重県の気象は、平野部、盆地部、山地部と地形の複雑さから、多様な地域特性がある。

 伊勢平野(県北中部)は、南北に長いため地域差があるが、年降水量は1,6002,000mmで一般に温和な気候となっている。

一方、熊野灘海岸(県南部)は県内で最も温暖で雨の多い地域でもある。年降水量は2,0002,500mmではあるが、一部地域は4,000mmの降水量で、全国第2位の多雨の地域もある。

また、伊賀盆地(県西部)は県内で最も寒さの厳しい地域であり、年降水量は1,3001,500mmと県内でも雨の少ない地域であって、盆地特有の気象特性を持っている。

その他特徴

地すべり分布と特徴

「三重県の地質と地すべり分布」に示す。

おける地すべり防止区域ならびに危険箇所は、北部から南部にまで散在しているが、地質との関係において次のような特徴がある。

 内帯においては、領家花崗岩類が広く分布しているため、花崗岩がマサ化した部分に発生する地すべりが多い。また、領家花崗岩類を覆う新第三紀中新世の一志層群は、凝灰質泥岩砂岩を主体とし、層理面に沿った規模が比較的大きい流れ盤の地すべりを特徴としている。

 中央構造線の南側にあたる外帯では、三波川帯および秩父帯に地すべりは認められるが、四万十帯にはほとんど見られない。三波川帯の地すべりは、破砕帯地すべりに区分され、秩父帯の地すべりは流れ盤で認められ岩すべりに区分される。また、熊野市を中心とする県南部には新第三紀の砂岩泥岩からなる熊野層群、ならびにこれらを貫く熊野酸性岩類が分布し、これらの分布地域では第三紀層タイプの地すべりが多い。

 なお、これらの地すべり地は、そのほとんどが国土交通省所管となっている。

対策事業の実施状況

所管区分

箇所数

区域面積(ha)

2003331日現在の県の地すべり防止区域は左表の通りである

国土交通省

     22

    733.59

農村振興局

    2 

    429.2

林 野 庁

    6 

    124.1

合  計

    30

  1,286.89

掲載号(地すべり技術に紹介されている地すべり地) Vol.30,NO.30 2004年 通巻90号:三重県の地すべり-農林水産省農村振興局所管における地すべり対策について-