|
都道府県名 |
長野県 |
面積 |
13,562km2 |
人口 |
197万人 |
|||||||||||||||||
|
地形 |
・3,000m級の山々に囲まれ、日本アルプスをはじめとして本州の脊梁を形成し、「日本の屋根」とも呼ばれている。 ・県内は山地の総面積が8割を超える山岳県であり、日本の広域的な地質構造区上特異な地帯であるフォッサマグナ(大地溝帯)や、西南日本から連続する中央構造線が存在し、山地と盆地が入り組む複雑な地形が発達している。 ・県の北西部はフォッサマグナに属し、1,000〜2,000m級の山地からなり、浅間山や八ヶ岳などの火山も分布している。 ・フォッサマグナの西縁には糸魚川静岡構造線があり、この構造線に沿って松本盆地や諏訪盆地などが連なり、盆地内には多くの扇状地や氾濫原からなる低地が分布している。 ・県の東側中央には南から北へ千曲川が流れ、これに沿って佐久・上田・長野・飯山盆地が分布している。 ・県の南西部には,日本アルプスを構成する赤石・木曽・飛騨山脈と呼ばれる3,000m級の大起伏山地が南北に並んでおり、これらの山脈の間には木曽川や天竜川が流れ、特に天竜川沿いの伊那谷には古い扇状地に由来する多くの段丘地形が発達している。 ・山地は崩壊、地すべり、土石流等の斜面運動を多発している。 ・高山と多雪地域には特有の地形がある。 |
|||||||||||||||||||||
|
地質 |
・県内の北東から南西に走る糸魚川静岡構造線と、諏訪湖から南西方向へ走る中央構造線といった大断層によって、地質が大きく分けられている。 ・県の北東部は、全域がフォッサマグナと呼ばれる世界で唯一の特殊な地質区域となっており,大陥没構造を持つ地帯に新第三紀の時代に海が入り込んで厚い海成層が堆積し,その後隆起して山地を形成している。 ・フォッサマグナ地帯は、地層が比較的新しく、その軟らかい岩層が強く変形を受けているため、山の斜面は不安定で崩壊が起こりやすい地域になっており、新第三紀層の分布域に多くの地すべりが存在している。 ・県南部の南アルプスの西麓を走る中央構造線の周辺には、破砕帯地すべりが多く分布している。 ・浅間山・御嶽山・乗鞍岳・焼岳等の活火山が存在し、熱水変質を受けた地質も多く分布する。 ・長野県の地質を地質構造図に示す。
|
|||||||||||||||||||||
|
気象 |
・県を北部・中部・南部に分けた場合、気候的には全般的に盆地性の地形のため内陸型気候だが、県の南部は太平洋側気候、北部は日本海側気候、中部は内陸型気候の特徴を有している。 ・降雨量は南部および北部の新潟県境付近で多く、降雪は北部と中部の北アルプス山麓に集中する傾向にある。 ・北部・中部に多く分布する新第三紀層地すべりに対し、降雪に伴う融雪が地下水供給の大きな要因となっている。 |
|||||||||||||||||||||
|
その他特徴 |
・長野県は本州のほぼ中央に位置し、周囲が8県に接している「海なし県」である。 ・県の大きさは、東西約120km、南北212kmである。 ・47都道府県のうち、北海道、岩手県、福島県につぎ、4番目の面積である。 |
|||||||||||||||||||||
|
地すべり分布と特徴 |
・県下には、第三紀層・破砕帯・温泉変質帯が分布するためこの分類による地すべりがいずれも発生している。地すべり防止区域を地すべり分布図に示す。 ・第三紀層地すべりは、県の中部から北部にかけて広く分布する。特に犀川・千曲川下流部・姫川に沿った山地に集中する。これらは、隣接する新潟県の地すべり地帯とあわせ、信越地すべり地帯として知られている。 ・県南部では、第三紀層の富草層が花崗岩類を被覆し、ここで地すべりが発生している。 ・中央構造線の東側には三波川結晶片岩類、御荷鉾緑色岩類が分布し破砕帯地すべりが発生している。 ・火山の周辺では温泉地すべりが多発し、特に志賀高原では大規模な温泉地すべりが発生している。 ・地すべりの性格は、火砕岩類が複雑に分布し、断層も多いことにより複雑化している。 ・地すべり地も新潟県と比較すると傾斜が急なものが多い。 |
|||||||||||||||||||||
|
対策事業の実施状況 |
・長野県の所管別の地すべり防止区域は令和4年3月現在以下のとおりである。
・国交省所管の地すべり防止区域の面積は全国で第3位、地すべり危険箇所の面積は全国で第1位である。 ・農村振興局所管の地すべり防止区域面積は、新潟県、島根県、愛媛県、徳島県についで5番目である。 ・平成4年度から17年度にかけて、長野県西部地区として構造改善局所管の直轄地すべり対策事業が実施された。
|
|||||||||||||||||||||
|
掲載号(「斜面防災技術」に紹介された地すべり地) |
vol.18 No.3 1992年3月号 通巻54号:奈良尾地すべり、上手村地すべり、野池地すべり(農村振興局所管) vol. 22 No.1 1995年7月号 通巻64号: 清水山地すべり、落合地すべり、住沢地すべり(国交省所管) |
|||||||||||||||||||||