地形 |
- ・新潟県は、本州の脊梁をなす標高約2,000mの山地が新潟県南東縁をNNE-SSW方向に走り、北東・南北方向にのびる細長い地域をしめており、県全体は5つの地形区に区分される。新潟平野・柏崎平野・高田平野などの沖積平野およびこれらと山地との間に発達する丘陵地帯を含む、中部平野山地丘陵区。東の県境に位置する朝日山地・飯豊山地・越後山脈・三国山脈などは東部山地区。西頸城山地と飛騨山脈を含めて西部山地区。海をへだてて佐渡区と栗島区がある。
- ・北から朝日山地、越後山脈、三国山脈などがほぼ南北に連なり、海岸に沿って越後平野が広がっている。
- ・東頸城・中頸城・長岡東方・西山などの地域は丘陵地形、西頸城地域は丘陵からやや高い山地地形、中魚沼・南魚沼などの地域は低い丘陵地形からなる。
- ・櫛形山脈断層帯及び月岡断層帯は活動度B級の活断層であり、越後平野とその東側の山地との境界付近を北北東-南南西方向に延びている。越後平野の南側には比較的新しい時代の地層からなる丘陵地があり、その尾根や谷は北北東-南南西方向に延びている。
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地質 |
地質概要は、別図に示す。
- ・県土の77’%を占める山地のうち、相川層から椎谷層までの第三紀層の割合は23.8%、西山・灰爪・魚沼層などの更新世の地層からなる丘陵地まで含めると42.1%に達する。
- ・第三紀層の分布地域をとりまくように中・古生層の岩石や花崗岩から構成される山地が、県境部に広い面積を占めているが、それらの地域は比較的地すべりの発生が少ない。
- ・例外的に県西部の姫川流域は飛騨外縁構造帯に属するため地質構造が複雑で断層も多く、断層や蛇紋岩に関連した地すべりが多く見られる。
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気象 |
- ・全国有数の豪雪地帯。山間部では通常数mの積雪が観測される。
- ・3~4月の融雪期と梅雨後期および初秋の集中豪雨期に発生する地すべりが65%と集中している。特に融雪期に著しい。
- ・年間降水量は新潟で1,850mm/年,高田で3,038mm/年。
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地すべり分布と特徴 |
地すべり防止区域を、別図に示す。
- ・大半を占める新第三紀層地域では緩傾斜でのクリープ型やスライド型の粘性土地すべりが多い。
- ・新四期魚沼層は比較的規模の大きな地すべり地形が見られ,フロー型の地すべりになることが多い。
- ・西縁地域は破砕帯地帯では構造的に大規模な地すべりが見られる。
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対策事業の実施状況 |
所管区分 |
箇所数 |
区域面積(ha) |
国土交通省 |
469 |
24,895.23 |
農村振興局 |
337 |
29,248.19 |
林野庁 |
344 |
31,188.97 |
合計 |
1,150 |
85,332.39 |
平成19年12月31日現在の県の地すべり防止区域は左表の通りである。 (農村振興局については平成28年6月20日現在) |
掲載号(「斜面防災技術」に紹介された地すべり地) |
Vol.16,No.1(1989年,通巻46号): (農村振興局所管)木棚地すべり,向山地すべり,柱道地すべり
Vol.19,No.2(1992年,通巻56号): (林野庁所管)中束地すべり,細越地すべり
Vol.19,No.3(1993年,通巻57号): (林野庁所管)地獄山地すべり,大貫地すべり,橋立・清水倉地すべり
Vol.29,No.1(2002年,通巻85号): (国土交通省所管)沖見地すべり,青ぬけ地すべり,大河津右岸地すべり
Vol.37,No.1(2010年,通巻109号): (国土交通省所管)朝日川三石川地すべり,楢木地すべり,田麦山小高地すべり,青海川地すべり,米山町地すべり,笠島地すべり
Vol.40,No.2(2013年,通巻119号): (林野庁所管)大久保地すべり,八幡地すべり
Vol.44,No.1(2017年,通巻129号): (農村振興局所管)清水日影地すべり、谷根広田地すべり
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