都道府県名

大分県

面積

6,339 km2

人口

121万人

地形

  大分県は,県北の中津平野,県央の大分平野,県南の佐伯平野など,比較的規模の大きい平野を有する。内陸には,日田,玖珠,湯布院,竹田などの盆地があり,火砕流による堆積と,河川による侵食作用を受けている。

  河川は山国川,駅館川,大分川,大野川,番匠川などがあり,周防灘,別府湾,豊後水道に流下する。また,筑後川上流部の大山川,玖珠川は筑後川となり有明海へ,中岳川は南流して五ヶ瀬川と合流し日向灘へ注ぐ。また海岸は,豊後水道のリアス式海岸で特徴づけられる。

地質

地質概要を,別図に示す。

  県内は,中央構造線の延長部と考えられる,松山−伊万里線,大分−熊本線,臼杵−八代線と,仏像構造線がそれぞれ北東−南西方向に延び,大きく4つの地質帯に区分される。

  臼杵−八代線より北側の領家帯は,花崗岩類と三波川変成岩類で特徴づけられ,その南方には付加体である秩父帯,四万十帯が分布する。

  これらを基盤とした新しい火山活動により,国東半島の両子火山,別府地域の由布・鶴見火山群,久住山,大船山,黒岳などからなる九重火山群などが形成されている。

気象

  周防灘から別府湾の沿岸では,年間平均の降水量は1,5001,600mmと少ないが,県境の九州山地では,2,5003,000mmに達する多雨地域となる。

  中津平野から国東半島,別府市沿岸部は,年間平均の降水量は1,800mm以下で,夏季は干ばつが起こりやすく,冬は曇りがちである(瀬戸内型T)。大分市から大野川の中流域及び臼杵市は,1,800mm以下で冬季の天候は良い(瀬戸内型U型)。津久見市以南の南海部郡及び大野郡の南部は,1,800mm以上で,山岳地は3,000mmを超え,夏季に雨が多く台風時に大雨となりやすいが,冬季は乾燥した晴天が持続する(太平洋沿岸型)。県北部から北西部にかけての内陸部は,特に降水量が多く3,000mmを超え,梅雨期や台風時には豪雨となりやすい(内陸山地型)。

その他特徴

地すべり分布と特徴

地すべり防止区域を,別図に示す。

  日田市南部は,地すべり防止区域が集中し,県内の約4割(46箇所)が分布する。地質は新第三紀中新世のいわゆるプロピライトからなり、内陸山地型の気候区で,梅雨期には豪雨が降りやすい地域である。

  大分−熊本構造線と仏像構造線に挟まれた地域は,県内の4割強(48箇所)が分布する。瀬戸内型Uの気候区で降雨量は少ないが,構造線に挟まれ,著しく破砕された古生層が分布するため,破砕帯地すべりが発生しやすい地質的特徴がある。

対策事業の実施状況

所管区分

箇所数

区域面積(ha)

平成18年末現在の県の地すべり防止区域は左表の通りである。

国土交通省

   83

林野庁

   26

農村振興局

  8

339.31

合  計

  117

掲載号(「斜面防災技術」に紹介された地すべり地)

  Vol.34,No.3(2008年,通巻102)

(農村振興局所管)難手地区地すべり,花合野地区地すべり