都道府県名

富山県

面積

4,247 km2

人口

110万人

地形

本州日本海側の能登半島東側の頚部に位置し、東・南・西の三法を山地に囲まれ、北は富山湾に面する半盆地状(東西約90km、南北約70km)をなしている。

東部は3,000m級の北アルプス立山連峰、南部は2,000m級の飛騨山地、西部は200〜500mの丘陵をなす。

これら県境山岳地帯に源を発する黒部川、神通川、庄川などの急流河川は、平野部に流入すると典型的な複合扇状地を形成する。

地質

地質概況図を別図に示す。

東部および南部の標高の高い山地を中心に古い岩石が分布し、富山平野に向かって新しい地質となる傾向にある。

東部の北アルプス山岳地域の地質は主に先中生代の飛騨変成岩、古期花崗岩類、中生代の手取層群、新規花崗岩類および第四紀の火砕岩類よりなる。南部の飛騨高地は先中生代の飛騨変成岩類、中生代の手取層群および新規花崗岩類よりなる。

本県地すべりの主要地域である県西部は、新第三紀および第四紀の堆積岩類・堆積物よりなっている。

気象

日本海側気候に属し、冬季の季節風による降雪が特徴で、世界でも有数の豪雪地帯となっている。

年平均気温は、富山市で13.5度C(全国平均14.6度C)、年間降水量は2,245mm(富山市1971年から2000年までの平均)である。

その他特徴

地すべり分布と特徴

本県の主な地すべり地域は丘陵地に分布し、なかでも西部の氷見市から小矢部市にかけて特に集中している。

このあたりは新第三紀層の中の凝灰岩が地下水の影響を受けて粘土化することが素因となっている。

一方、東部地域、庄川・神通川沿岸や山間地では、比較的年代の古い新第三紀層の断層破砕帯や岩石の亀裂に沿った風化を素因として地すべりが発生する傾向にある。

主な地すべり災害は、融雪期と梅雨期に発生しているほか、初冬や融雪期に発生するケースも多く認められている。

対策事業の実施状況

所管区分

箇所数

区域面積(ha)

平成6年現在の地すべり防止区域は左表の通りである。
※)VoL.36,No2,2009年11月、通巻107号では、140箇所、4,631ha

農村振興局

148

19,223

※)林 野 庁

220

9,073

国土交通省

193

9,015

合  計

561

37,311

掲載号(「地すべり技術」に紹介された地すべり地)

Vol.18,No.2 1991年11月,通巻53号:名ヶ原地すべり、針木地すべり(林野庁所管)

Vol.20,No.2 1993年11月,通巻59号:国見地すべり、胡桃地すべり(国土交通省所管)

Vol.21,No.2 1994年11月,通巻62号:入谷地すべり(農村振興局所管)
VoL.36,No.2 2009年11月,通巻107号:7月28日ゲリラ豪雨に伴う土砂災害の状況