国土交通省所管       東(ひがし)地すべり     千葉県

位置図



東地区平面図

「斜面防災技術」掲載号:Vol.33,No.1(2006年7月,通巻97号)
地すべりの概要
1. 地すべりの概要

 安房鴨川駅の西南西約6km付近,東西に伸びる嶺岡山地の一角を占めている。地すべり指定面積は,98.71haと広大で,この中に小規模な地すべりブロックが多数存在する。河川・渓流の荒廃も著しく,それらは砂防指定地に指定されていて,地すべりと一体的に対策が行われている。

2.地形・地質概要

 嶺岡山地の主稜線と曽呂川の間の南向き緩斜面に位置する。斜面傾斜は嶺岡山地稜線付近だけはかなり急で,それから続く長い斜面は平均15゚程度,曽呂川の谷底近くで18〜20゚と幾分急になる。
 東地区周辺における嶺岡層群の分布は嶺岡山地の尾根部に限られ,幅400〜500mで蛇紋岩を主体とする火成岩類が見られる。尾根の北側の白滝不動周辺には嶺岡層群白滝層の珪質岩層が見られるが,その分布範囲は狭い範囲に限られる。
 嶺岡山地の緩斜面のほとんどが“せん断された保田層群”が分布するといわれている。ボーリング調査の結果では,軟質化または粘土化した泥質岩が主体で,地すべり多発地帯となっている。

3.素因・誘因
(1)素因:強風化泥質層の分布,強風化層と風化層境界面の流れ盤構造。
(2)誘因:すべり面付近のせん断亀裂の発達に伴う地下水

4.対策工
 明暗渠工,横ボーリング工,アンカ−工
地すべりの特徴
 地すべり平面図
 地すべり断面図