国土交通省 所管    滝越地すべり

長野県

    
  
                        被災時の滝越地区

「長野県の地すべり〜地すべり等防止法制定から50年の歩み〜」

平成213月 長野県建設部砂防課

地すべりの概要

1.地すべり地の概要

 竜王ダム直上流の左岸に位置し、昭和59914日の長野県西部地震に伴い標高1,200m付近の台地状尾根部で幅約160m、奥行約150m、崩壊土砂量約15m3の崩壊性地すべりが発生した。

 この崩壊土砂は、村道や家屋を流失させ、王滝ダム貯水池へ流入するとともに一部は対岸の尾根を越流した。

 

2.       地形地質概要

 濃飛流紋岩類の瀬戸川溶結凝灰岩を基盤とし、御岳火山第1期の倉越原溶岩流及び第2期の軽石層が上位に分布する。その上部には火山噴出物によって堰き止められて形成された湖(古滝越湖)による滝越湖成層が厚く分布する。

 

3.       地すべり発生機構

 中心部の沢の渓岸侵食により滝越湖成層中のシルト層もしくは泥岩層に脆弱な層が形成され、振動により脆弱化の進行と急激な地下水移動に伴い地すべり性崩壊が発生したと考えられる。

 

4.       対策工

 地下水排除工(明暗渠工、横ボーリング工)、谷止工(鋼製枠)

 

地すべりの特徴

対策後の滝越地区

地すべり土塊が王滝ダムへ流入