農村振興局所管    山の上地すべり    岡山県

岡山県の地すべり防止区域

岡山県の地すべり防止区域

山の上地区地すべり防止区域

山の上地区地すべり防止区域

「斜面防災技術」掲載号:Vol.46,No.2(2019年8月,通巻136号)

地すべりの概要

1.地すべりの概要

 山の上地区は岡山県中西部の高梁市松山に位置する地すべり防止区域である。当地区内では昭和47年7月の豪雨を契機に地すべりによる変状が顕在化し、昭和53年3月31日に地すべり防止区域に指定、さらに昭和56年3月19日には当初の防止区域の隣接エリアが追加指定され、順次、対策工事が行われている。区域面積は75.90haで農地と山林が大部分を占め、区域内には家屋が点在する。

2.地形・地質概要

[地形]

 山の上地区の周辺地域には、標高400〜600m程度の定高性を示す吉備高原が広がる。周辺の吉備高原山地は、ほぼ南北方向に流下する高梁川やその支流によって地形開析が進んでおり、高梁川沿いには急峻なV字谷が形成されている。また、標高400m付近の遷急線を境として上位には緩やかな波状の地形が広がり、山の上地区はこの波状地形部に位置する。

[地質]

 当地区一帯には、古生層である夜久野迸入岩類(舞鶴帯)が分布する。夜久野迸入岩類はプレート運動の際に形成された岩石で、大規模な変成作用を受け地質構造が非常に複雑であることが特徴的であり、岩種は変ハンレイ岩が主体となる。これらの岩は貫入岩の影響により熱水変質等の変成作用を被り、さらに長年の風化作用により深部まで土砂化が進むことで全体に脆弱な地質といえる。

3.地すべり状況

 13ブロックは北西向きの斜面に発生した地すべりであり、背後には緩やかな凹状斜面が広がっている。

 当ブロックは、事業の着手段階では幅約55m、長さ約30mの規模であったが、事業期間中の豪雨で冠頭部が後退し、幅約70m、長さ約50m、最大層厚約7mの規模まで拡大したブロックである。

 地すべりの変状としては、拡大前の冠頭部である茅畑内の段差、拡大後の冠頭部である葡萄畑内の段差、市道沿いに位置する末端部斜面の押し出しが確認され、これらの変状が進行すれば農業活動や市道への大きな被害が懸念された。

4.地すべり機構

[素因]

  • 脆弱な風化土が風化岩の上位に厚く分布している地質条件
  • ブロックの背後に水の集まりやすい緩やかな凹状斜面が存在する地形条件

[誘因]

  • 降雨が地下に浸透してすべり面の間隙水圧が増大

5.対策工

地すべり対策

 水抜きボーリング工:4群(総延長L=404m)

地すべりの特徴

地すべり対策平面図

地すべり対策断面図