徳島県農林水産部 所管      漆日浦(うるしひうら)地すべり  徳島県

位置図


対策工平面図

「地すべり技術」掲載号:Vol.28,No.2(2002年11月,通巻83号)
Vol.31,No.3(2005年3月,通巻93号)
地すべりの概要
1. 地すべりの概要

 漆日浦地すべりは昭和34年の末端部の渓岸崩壊を始まりとし,その後土砂流出等を繰り返しながら現在の地すべり地に至っている。 漆日浦地すべりの規模は幅130m,斜面長400m,すべり面深さは10m前後と比較的浅い地すべりである。地すべり調査は昭和61年から行い,平成5年から地すべり抑制工として集水井を施工。
 漆日浦地すべりは活動が顕著で年間1m程度の移動だったが,集水井の施工により,現在では地すべり滑動は小康状態まで落ち着いている。
 地すべりの移動杭観測では,地すべり移動量は集水井施工前で40〜100cm/年,集水井施工後は3〜20cm/年で,近年は3cm/年以下と安定してきている。

2.地形・地質概要
 漆日浦地すべりは,徳島県美馬郡一宇村漆日浦に位置し,四国山脈の一員をなす剣山山系に属している。剣山山系の特徴は北に緩斜面,南に急傾斜が形成されていることである。
 漆日浦地すべりの地質は,三波川結晶片岩の泥質片岩で,片理面傾斜角20〜40。の地表面傾斜と同様の流れ盤構造である。

3.素因・誘因
 (1) 素因:流れ盤構造の片理面。
 (2)誘因:降雨による間隙水圧の上昇。

4.対策工
 集水井工,横ボーリング工
地すべりの特徴
 地すべり断面図