写真2 寺野地区
寺野地区の河道閉塞は、左岸側で発生した延長約360m、幅約170mの地すべりによって生じている。移動した土塊の量は約100万m3と推定されている。また、右岸側には急傾斜の渓岸崩壊が3箇所で発生しており、その最大のものは、長さ約100m、幅約110m、比高約50mの規模である。左岸側の地すべりは旧い地すべり地で発生しており、今回の滑動範囲は旧地すべり地形の輪郭とほぼ重なる。地すべりの発生した斜面は向斜軸の軸部付近に位置するため、基岩の走向、傾斜はN70〜80°W、10〜15°Sとなっている。したがって、地層の傾斜方向は地すべり斜面の傾斜方向と斜行している。地質は砂岩主体の砂岩・シルト岩互層から構成されている。
出典:丸井英明:地すべり地帯における地震による崩壊と復旧の視点、建設コンサルタンツ協会北陸支部技術講習会、2005
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